nisioka のすべての投稿

低コスト型の下水道運営

国土交通省は、下水道の普及率が遅れている自治体の施設設備を支援するため、従来とは異なる効率的な事業運営を目指す「コストキャップ型下水道」の調査に乗り出すことがわかりました。愛知県美浜町をモデルに2013年3月末までに新手法の適用可能性を調査します。
 日本の下水道処理人口普及率(下水道施設の処理人口が総人口に占める割合)は2010年度末で75%程度に達し、全国的には下水道の整備は進んでいます。しかし、少子高齢化や人口減、財政難などに直面している中小規模の市町村では、今後の下水道整備が困難なところもあります。美浜町(人口約2万3000人)では、まだ下水道が整備されていない(普及率0%)で、国交省では、こうした自治体でも下水道事業を運営できるように、新たな施設整備・維持管理の手法の確立を目指しています。
 コストキャップ型下水道では、自治体があらかじめ設定した投資可能額の範囲内で、低コスト型の施設整備や維持管理などを実施します。クイック配管(露出配管、簡易被覆、側溝活用)などの新技術をパッケージとして利用したり、海外から設備を調達したりするそうです。   西岡

H22年度末下水道処理人口普及率    

市町村名   普及率
愛知県     72.0%
名古屋市    99.0%
刈谷市     88.0%
安城市     71.6%
知立市     53.7%
碧南市     60.8%
西尾市     55.6%
高浜市     49.2%

不動産流通の活性化を目指して

不動産流通の活性化を目的に、情報整備について実効性のある方策を検討してきた国土交通省は、中古住宅の成約価格情報の条件付開示をめざすことなどを盛り込んだ中間とりまとめを発表しました。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するレインズを中核的なシステムとして、消費者に対する情報提供をより充実させていくことで合意しました。
 中間とりまとめでは、住宅購入希望者の判断を助ける情報をわかりやすく提供することが、住宅に関心を持つ人を増やし、将来の市場参加者の拡大に貢献すると指摘しています。情報整備が進むことによって優良なストックが差別化され、売買価格の上昇につながる物件が増加し、売却収入や資産価値、仲介手数料の増加につながる効果が期待できるとしています。また、先進諸国では投資環境を整えて、自国の不動産市場へより多くの投資資金を呼び込む方策を講じており、我が国も取り残されないよう投資環境を整備したい考えです。
 住宅購入希望者が求める情報ニーズは、価格の妥当性に関する情報、瑕疵の有無(建物検査結果)、耐震性・省エネ性等の性能、品質に関するを求めており、特に最近では、安全性(耐震診断結果、地盤等)に関するニーズが増加しています。これらの情報を整備し、インターネットによって提供可能になれば、宅地建物取引業者、消費者、金融機関等の情報収集に要する時間が短縮され、より効率的な市場になることが期待されています。  西岡

南海トラフ巨大地震

8月29日、内閣府は南海トラフ巨大地震の被害想定を発表しました。
寒い冬の深夜に駿河湾から紀伊半島沖の東海地方付近の南海トラフに集中して巨なすべりが発生し、日向灘付近まですべった場合、想定される死者数は最大約32万人にのぼると想定されました。
 東海地方が大きく被災した場合の想定死者約32万人のうち、実に約7割が津波による被害です。津波被害の推計には、東日本大震災などの調査結果を初めて使用し、すぐに避難する人の割合を20%、避難はするがすぐに避難しない人を50%、避難しない人を30%と設定し、避難開始のタイミングと津波到達時間の関係から被害を推計しました。さらにスマトラ島沖地震津波の浸水深別死者率を採用し、浸水深が30cm以上で死者が発生し始め、1m以上の地域では津波に巻き込まれた人は全て死亡すると仮定しています。その結果、津波避難率が低い場合と全員が地震発生後すぐに避難を開始した場合とでは、死者数に約2.6倍~約13.5倍の差が生じることがわかりました。
 愛知県では、最大で震度7の揺れと22mの津波に襲われ、最悪の場合、浸水面積は9870haに及び、死者2万3000人、全壊・焼失38万8000棟の被害をもたらすと想定されています。
最大津波高が22mと想定されたのは田原市で、刈谷市・碧南市・高浜市・東浦町で最大4m、西尾市では7mとなっています。
 今一度、避難場所を確認し、すぐ避難できるようにしておきましょう。西岡

風で揺れにくい超高層ビルの形とは?

超高層ビルに関して、国際的に注目を集めている研究があります。
東京工芸大学の田村教授を中心とするグループによる「新しい形態を有する超々高層建築物の耐風設計手法に関する研究」です。
 超高層ビルは高さが200~300mを超えると、地震荷重より風荷重が重要になり、耐風設計は重要な要素の1つです。
 現在の超高層ビルの耐風設計は、大まかな形態を決め、その形態に対してどんな風荷重が作用するかを分析する方法が主流で、「風洞実験などによって、異なる形状同士の比較はされてこなかった。つまり、どんな形状にすれば風荷重による応答が減らせるかといった物差しがない状態。物差しがあれば設計の初期段階から風に対する応答を組み込んだ検討ができるできる。」と田村氏はこの研究の意義を語っています。
初期段階で優れた空力特性の形状を選べば、安全性が上がるほか、制振装置などの数を減らせたりレベルを下げたりできるので、コストダウンにつながります。
 30種類以上の異なる形状の風力特性を比較したところ、下図のような上に行くほど断面が狭くなる形状、ねじった形状、風穴を開けた形状が安全性評価で優れた特性を示したそうです。今後の研究も期待したいですね。西岡

誰もが不便な「だれでもトイレ」

国土交通省は12年7月に、バリアフリー設計の考え方や基準の適用方法などを示す「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を5年ぶりに改定しました。多機能トイレにおける多様な利用者の集中回避や、車椅子使用者の利便性向上に資する機能分散の考え方等についての記述を充実しました。
 これは多機能トイレに、車椅子のまま入れる広い空間、着座や立ち上がりに便利な手すり、乳幼児のおむつ替えができるベッド、オストメイト(人工肛門などを付けた人)用の設備など、様々な設備を詰め込んだことで、高齢者や障害者、子供連れなど幅広い利用者が集中し、使いたい時に使えない事態が起こっている現状から、盛り込まれた内容です。
 日本の公共トイレは当初、和式トイレを中心に整備されてきたが、足の不自由な高齢者や車椅子利用者にとっては使いづらく、外出を妨げる一因となっていました。1980年代に入ると、障害者の社会参加を求める声が高まり、車椅子利用者専用のトイレが整備され始め、90年代には徐々に普及しました。2000年代には、車椅子利用者だけでなく子供連れも使えるようにと、乳幼児用のベッドや椅子なども備えた多機能トイレへと進化しました。この結果、だれでも使える多機能トイレに利用が集中するようになりました。
 今後は、車椅子用、子供連れ用、オストメイト用といった個別の機能を備えたトイレをそれぞれ設け、誰もが快適に利用できるトイレ空間にするよう対策を求めています。     西岡

道頓堀に全長1kmのプールをつくる

大阪市の中心部を流れる道頓堀川に、全長1kmのプールをつくろうという計画を大阪府市特別顧問で元経済企画庁長官の堺屋太一氏が発案し、それを受けて、地元商店会や南海電鉄で構成する「道頓堀プール準備室」が発表しました。
 2015年夏の開業を目指して、民間主導で遠泳競技や市民が遊泳できる世界的名所をつくるという計画です。大阪のど真ん中に見たこともない巨大なプールをつくり観光客を呼び込む考えです。
 プールは発泡スチロールの浮き材を付けた「布函(ふかん)式」の水槽で、(布函とは、布でできた箱のこと)12~15mある道頓堀川の川幅いっぱいに布函を広げ、内部を水道水で満たします。布函を川に浮かべ、底面には硬質樹脂ボードなどを敷き、遊泳者が気持ちよく泳いだり歩いたりできるようにします。
 まずは、道頓堀川に架かる東側上流の日本橋から西側下流の深里橋までの約800mの区間に布函を並べます。将来は西側に延長して、プールの全長を1kmとする計画です。
 道頓堀川の水は、布函の下側を流れ、大雨などで増水する危険があるときは、布函の最上流部と最下流部の隔壁を取り外して、プール内にも川の水が流れるようにするそうです。
 プールの営業期間は毎年6月下旬から9月上旬までを予定し、利用料金は最初の1時間が1000円、以降は1時間ごとに500円程度を想定し、年間100万人の入場を目指します。
 果たして、2015年に本当にプールができるのか、楽しみですね。 西岡

公民連携で産直、カフェ、図書館が一体に

岩手県紫波町に産直、カフェ、図書館などが入居する公民連携(PPP)による複合施設が完成しました。資金調達など事業プランの新しさが注目を集めているそうです。
 6月20にJR東北本線・紫波中央駅前にオープンした「オガールプラザ」は木造(一部RC)の複合施設で、産直販売所と図書館を中心に子育て支援施設、カフェ、居酒屋、医院、学習塾などが入居しています。入居率は100%でオープンに伴い100人の雇用を生みました。
入居テナントはほぼ県内事業者であり、資金の融資は東北銀行から受け、大手資本に頼らない「地域完結型」の公民連携事業です。
産直販売所は町内233の生産者が集まり、食料自給率170%超という紫波町の豊かな農産物をアピールする役割も担いつつ、初年度は売り上げ4億円を目指しているそうです。
 名前の由来は「オガール」とはフランス語で駅を意味する「Gare」と紫波町の方言で成長を意味する「おがる」を合わせた造語だそうです。
 オガールプラザは銀行からプロジェクトファイナンス(事業そのものが生み出すキャッシュフローに返済原資を依存した融資形態)による融資を受けています。
また、設計の公募方法にも工夫を凝らしました。まずはRFQ(アイデア提案の募集)を行い、設計・施工事業者を選定するRFP(公募型プロポーザル)を行う二段階選抜をしたそうです。             西岡

市有資産の活用法を市民や企業が提案

京都市は7月11日から、市有資産の活用やネーミングライツ(命名権)に対する提案を市民や企業などから常時受付ける「市民等提案制度」の運用を開始しました。これは、市が保有する土地や施設など、対象とする物件を特定しないで活用法やネーミングライツの提案を募集するものです。対象とする物件や募集の期間を定めないことで、幅広い活用策を引き出すのが狙いです。
 市有資産の活用では、市の交通局や上下水道局の施設に加え、教育委員会が管理する学校の跡地を除き、市が保有する土地や建物を提案の対象としています。利用していない土地の買い受けや建物の一部の借り受けなど、提案者自らが主体となって活用する提案を求めています。
提案の採用が決まれば貸付料などの条件を設定し、公募型プロポーザルや一般競争入札で契約の相手先を選定します。但し、提案内容の実現に提案者のノウハウや創意工夫が必要な場合は提案者を随意契約するそうです。
 ネーミングライツの提案では、交通局や上下水道局の施設を除き、市が保有する施設やイベントなどが対象で、市の広告事業施設要綱などに合致し、提案者が自ら主体となって命名する案を募集しています。採用が決まれば提案者も含めて公募型プロポーザル方式で選定します。この際、当初の提案者の評価点を加点する優遇措置を講じることもあり、参加者が当初の提案者だけの場合は提案者に命名権が与えられるそうです。
               西岡

標高がわかるウェブ地図

 ついにウィークリービレッジも今回で、300号を迎えました。2007年の春よりスタートし、今年で6年目です。楽しみにして下さっている方もいるので、これからも頑張って続けていきたいと思います。
 さて今週は、標高がわかるウェブ地図のご紹介です。
国土地理院は、日本国内の任意の地点の標高を表示できるウェブ地図「標高がわかるWeb地図」を公開しました。地図上でクリックした地点の標高値を見ることができるもので、公共機関の防災計画策定や個人の防災意識向上に役立ててもらうのが狙いです。
 標高を知りたいポイントにマウスを合わせて右クリックすると、標高値が表示されます。標高値は、その場所に最も近い標高点の価を平均して算出します。標高点の間隔は5m、10m、250mの3種類があり、エリアによって標高値の精度は異なるそうです。なお、建築物や高架橋などの構造物の高さは反映しません。
 みなさんも、自宅などの標高を調べてみてはいかがですか。
標高がわかるWeb地図のサイトはこちらです。
http://saigai.gsi.go.jp/2012demwork/checkheight/index.html

ちなみに、当社の安城店は17.3m、刈谷店は10mでした。刈谷・安城は坂道も少なくあまり標高は変わらないと思いましたが、実際調べてみると7mも差がありました。      西岡

環境に配慮した都市づくり

 今、自然エネルギーを利用し、居住環境と自然環境が調和し、人が心地よく暮らすことのできる低炭素都市の実現に力が注がれています。
 国土交通省が今国会に提出した「都市の低炭素化の促進に関する法律案」の成り行きが注目されています。
 この法案は、(1)低炭素化に寄与する住宅の認定制度と、(2)低炭素化に向けた市街地の街づくり計画策定の2本柱からなっています。
 (1)の住宅については、新たに「認定低炭素住宅」を制度化するもので、現時点では、一定以上の断熱性能を持ち、省エネ・創エネ効果の高い設備等を導入して一次エネルギーの消費量をある程度の水準以下に抑える住宅を認定するものとなっています。特典としては、各市町村に申請して同認定を取得すると、所得税の減税や登録免許税の引き下げを受けることができます。特典によって民間企業の活動を活性化させながら、都市の低炭素化を推進する狙いです。
(2)の街づくりは、都市の機能を集約するコンパクトシティ化や緑化、パブリックスペースなどにおける太陽光発電の設置、公共交通機関の整備、未利用エネルギーの活用などがあります。さらに地域の中でも今後、パッシブデザインを採用する意義が大きい施設の一つとして学校があります。少子高齢化が進む中で、これからは地域のコミュニティの拠点や災害時の避難場所としての役目も期待せれ、エネルギーの自給を含むゼロエネルギー化を推進する動きがあります。   西岡